◆ 取組の効果

教育の社会的効果等

<本取組の教育面での効果>
教育面での効果は、学生の自主的な学習意欲を高め、学生の主体性を尊重した参加型教育となり、生活問題が机上の学問のみでは解決できず、多様な職種間の連携により解決していくことを理解させることにある。その結果、主に以下の教育面での効果がある。

  1. 従来の学科別のスペシャリスト養成に加えて、「健康」「環境」「福祉」を総合的に理解でき、生活問題全般を捉えたジェネラリストの養成が可能となる。
  2. 教員による学生教育のみならず、専門職・地域住民と学生・教員が相互に議論することで、双方向的学習が行われ、学生の創造性を高める上で効果が高い。
  3. 教科科目や演習を介して、学生が生活問題をもった人々と直接関わることにより、将来専門職となる者の人間性を豊かにすることができる。
  4. 多面的な立場から、学生・教員と専門職・住民が相互に議論し合うことによって、学生のコミュニケーションやプレゼンテーション能力の向上に繋げられる。

本取組を採用することにより、従来はスペシャリスト養成にしか目を向けることができなかった状態から、異なるスペシャリスト養成を同一の場で実施することにより、ジェネラリストとしても成長できる教育と現場を提供することになる。こうした人材は、他の専門職を先導・指導できることから、職場においてリーダーシップを発揮することが期待できる。

<本取組の地域に対する社会的効果>
本取組による地域、特に本学が位置する住吉区に対する社会的効果については、以下の4つの特徴がある。

  1. 区内の住民や施設利用者のQOL向上につながる。
  2. 区内の生活に関わる専門職がスペシャリストとしてだけでなく、他の専門職とのパートナーシップのもとで実践するための技能水準を高めることができる。
  3. 区内での地域住民の潜在的な活力を引き上げ、QOL向上を地域住民自らが行う土壌を形成でき、同時にそれらを先導する地域リーダーを養成できる。
  4. 区内での新たな生活文化の形成に寄与できる。

本プログラムの社会的効果としては、「地域ネットワーク」が、区内で働く専門職やインフォーマルセクターの人材育成を通じて、区民のQOLを高めることに貢献するだけでなく、区全体の包括的なケアシステムを形成することとなり、それを大阪市だけでなく全国的なモデルシステムとして波及させることが可能となる。

同時に地域内の施設を例にすると、施設が実施しているサービスに内在する生活問題について、異なった専門教育を受けている学生が職員や居住者と議論することによって、これまでに解決できなかった問題の解決が図られることになる。例えば、施設内の食の問題は、その食事内容にある場合もあるが、食事空間や入所者への職員の対応に問題がある場合もあり、多様な問題解決の糸口を探ることができる。こうしたチームアプローチで蓄積した職場全体の価値・知識・技法についても、全国に発信することができる。

<本教育プログラムの及ぼす効果について>
本取組での教育効果については大学関係者に、社会的効果については地域の住民、専門職能団体、地方自治体職員に広く波及させていく中で、本教育プログラムを浸透させていくことになる。そのため、本取組の成果について定期的にシンポジウムを開催し、全国から多くの参加者を募ることで、開発した教育プログラムが全国に広く普及していくことを求めていく。