◆ 取組の設定

実現可能性(具体的な実施能力)

<目標>
本取組では、QOLプロモーション教育プログラム開発を通じて、QOLプロモーター育成と地域住民のQOL向上、ひいては地域活性化を図る。具体的には、マルチプレックス・フィールドワークを中心とした地域密着型のプログラムによってQOLプロモーターを育成し、その有効性を実証しつつ、将来的には、従来の資格とジョイントさせたQOLプロモーターを普及させていくことで、専門職教育システムの再編を目指していく。同時に、地域社会を生きた教材として、地域に深くかかわることで、QOLという視点から地域社会を先導していく人材を育成する先駆的な教育プログラムの確立が目標である。

<計画の設定>
今後3年間で、1.地域QOLニーズの把握、2.QOLプロモーターの育成、3.QOLプロモーションの普及を行う。

1.地域QOLニーズの把握では、地域の生活課題を明らかにし、QOL指標をもとに住民の状況を測定すると同時に、専門職の自己効力感を把握する。これらの結果は、今後の効果測定の基礎資料となる。

2.QOLプロモーターの育成では、生活の質に焦点を当てたコア専門科目・演習である「QOLプロモーションI・II」、「同演習I・II」を開講する。これらの科目は、地域の住民や専門職も受け入れ、本学の学生と共に学ぶ場をつくり、各学科学生、地域住民、専門職といった枠を超えたチームを編成した上で、生活全体を理解するための複眼的な視点と問題解決のための多面的なアプローチを修得させる。「QOLプロモーションT・U」では、生活問題を抽出分析し、他専門職等とのパートナーシップを築きながら、諸種の生活問題を協働して解決していく能力と技術を理論的に理解させる。そのため、科目「I」ではQOLの考え方に、「II」ではニーズアセスメントやコーディネーションといった方法に焦点を当てる。「QOLプロモーション演習I・II」では、実際に地域に出て、食や栄養、住環境、介助などの生活支援を一体的に体感させ、パートナーシップによる問題解決能力を修得させる。演習「T」では自宅の生活者を、「II」では施設の生活者に焦点を当てるが、特に3学科の教員が一緒に担当し、取り組むことに意義がある。

この結果、例えば骨粗鬆症高齢者のQOLを向上させるためには、栄養状態や運動の改善だけではなく、意欲を高める心理的サポート、運動ができる環境の整備が不可欠であることを複眼的に理解させ、他の専門職や住民と協働して生活問題を解決していくパートナーシップの原点を体得させることができる(下記の例参照)。

骨粗鬆症高齢者のQOLを向上させるための例
  事例1 事例2 事例3
課題 独居高齢者のリハビリテーション 障害者グループホームにおけるファミリアライゼーション 学校における教師の生徒への生活場面支援
内容 独居高齢者の食・住の生活スタイルおよびサポート体制を総合的に再検討し、骨粗鬆症予防、健康増進、外出による社会参加などを促進させる。 障害者の介護現場に家庭的な生活場面を創出するために、買い物外出、食事準備、食事、後片づけなどの生活行為の人的支援、環境支援を総合的に行う。 学校の教員が生徒との受容的な関係を創出するために、給食メニューや食事場所の多様化・小規模化などの食事場面の改善を軸にして、教育現場に「生活」視点を導入する。
パートナー 高齢者、民生委員、自治会、医師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、管理栄養士、建築士、ケアマネジャーなど 障害者、グループホーム職員、医師、ケアマネジャー、管理栄養士、介護福祉士、ソーシャルワーカー、建築士など 生徒、教員、PTA、管理栄養士、建築士、ソーシャルワーカーなど

3.QOLプロモーションの普及では、本教育プログラムで構築された大学、地域住民、専門職のネットワークの拡大を図り、他地域からの参加者を得ての報告会等によりプログラムの成果を還元することで、住吉区を越えた社会全体の地域活性化を図っていく。同時に、専門職業人の育成を目指す他大学がQOLプロモーション教育プログラムを導入することに向けて、本学部はプログラムの内容をホームページ等で公開するだけでなく、インターネット等を介して教員が具体的な支援を行っていく。